2025年大阪・関西万博の公式キャラクター「ミャクミャク」。その独特なデザインが発表された直後から、「ミャクミャクの作者(デザイナー)が海外へ逃亡した」という衝撃的な噂がインターネット上で広がりました。この記事にたどり着いたあなたも、その真相が気になっているのではないでしょうか。
本記事では、ミャクミャクの作者である山下浩平さんとは何者で、他にどのような代表作があるのかを詳しく解説します。また、そもそもなぜ作者は逃亡したなどと話題になったのか、さらに憶測を呼んだ作者のXアカウントが削除された理由とは何だったのか、その背景に迫ります。
加えて、ミャクミャクのデザインは誰が決めたのかという選考の経緯から、あの不思議な見た目に変わった理由、特徴的な目の数が多い意味まで、デザインに隠された秘密を解き明かします。そして、当初不評だったミャクミャクが、どのようにして多くの人に愛される人気キャラクターへと変貌を遂げたのか、その理由についても徹底的に掘り下げていきます。
この記事を読むことで、以下の点について深く理解できます。
- ミャクミャク作者の海外逃亡説に関する正確な情報
- 作者である山下浩平氏の人物像とこれまでの活動
- ミャクミャクのデザインに込められた意図や背景
- ミャクミャクが社会現象となるほどの人気を獲得した理由
ミャクミャク作者(デザイナー)の海外逃亡説の真相

クロラトリビアナビ・イメージ
- ミャクミャクの作者(デザイナー)は一体誰?
- なぜ作者は逃亡したと話題になった?その真相とは?
- 作者のXアカウントが削除された理由とは?
- 作者の山下浩平とは何者か?
- 作者、山下浩平の代表作は?
ミャクミャクの作者(デザイナー)は一体誰?

クロラトリビアナビ・イメージ
ミャクミャクの生みの親は、デザイナーであり絵本作家としても活躍されている山下浩平(やました こうへい)さんです。
山下さんは1971年に熊本県で生まれ、兵庫県神戸市で育ちました。大阪芸術大学の美術学科を卒業後、クリエイターとしての道を歩み始めます。彼の活動は多岐にわたり、グラフィックデザインからキャラクターデザイン、そして子どもたちの心を掴む絵本の制作まで、幅広い分野でその才能を発揮しています。
ミャクミャクのデザインは、山下さんがご自身の母親と妻と共に3人でアイデアを出し合って作り上げたものだと語られています。家族との和やかな時間の中から、あの独創的なキャラクターが誕生したのです。公式キャラクターに選ばれた際には、「選ばれてとても光栄」と喜びを語る一方で、注目を浴びることへの戸惑いも口にしていました。
なぜ作者は逃亡したと話題になった?その真相とは?

クロラトリビアナビ・イメージ
結論から言うと、ミャクミャクの作者である山下浩平さんが海外へ逃亡したという話は、事実無根のデマです。
では、なぜこのような噂が広まってしまったのでしょうか。主な理由として、2つの出来事が重なったことが考えられます。
一つは、キャラクター発表直後の反響です。ミャクミャクのデザインは、従来の「かわいい」マスコットキャラクターのイメージを覆すものであったため、発表当初は「気持ち悪い」「怖い」といった批判的な声が数多く上がりました。このネガティブな反応が、いわゆる「炎上」状態となったのです。
もう一つは、山下さんがもともと海外での仕事も手掛けていたことです。炎上騒動の時期と、山下さんが海外で仕事をしていたタイミングが重なったため、「批判に耐えかねて海外へ逃げたのではないか」という誤った憶測が生まれ、SNSなどを通じて拡散されてしまいました。
実際には、山下さんは炎上を避けるために一時的にSNSでの発信を控えていただけであり、活動の拠点を海外に移したわけでも、ましてや逃亡したわけでもありません。現在も日本国内でクリエイターとしての活動を継続されています。
あまりの評判の悪さに逃亡したのかもな。
ーーー
大阪万博の公式キャラクター
『ミャクミャク』をデザインした
山下浩平氏が
公式Xアカウントを削除していたことが判明
『人民日報』の催しで
キャラクターデザインを担当していた過去も発覚https://t.co/BkPkeN4khH pic.twitter.com/Z9XfQKowFI— 丘田 英徳 (@okada_2019) May 9, 2024
作者のXアカウントが削除された理由とは?

クロラトリビアナビ・イメージ
山下浩平さんの公式X(旧Twitter)アカウントが削除されたことは事実ですが、その明確な理由は公表されていません。そのため、削除に至った背景についてはいくつかの推測がなされています。
最も大きな要因として考えられるのは、前述のデザイン発表後の批判や、万博そのものに対する世間の厳しい意見です。山下さん自身が過去のインタビューで「人前に出るのは得意ではない」と語っているように、注目を浴びることへの精神的な負担は大きかったと想像されます。
また、万博の準備をめぐっては、会場建設の遅れや費用の高騰、PR船の座礁事故、会場でのガス爆発事故など、様々な問題が報じられてきました。こうした一連の騒動により、万博関連の人物である山下さんに対しても、心無い声が寄せられていた可能性は否定できません。
これらの状況を踏まえると、国民からの批判や過度な注目から距離を置き、創作活動に専念するためにアカウントを削除したのではないか、と考えるのが自然な見方かもしれません。
作者の山下浩平とは何者か?

クロラトリビアナビ・イメージ
前述の通り、山下浩平さんはデザイナー兼絵本作家です。彼は2つの名義を使い分け、異なる領域で創作活動を行っています。
一つは、2000年から使用している「mountain mountain」という名義です。こちらでは、主にグラフィックデザインを制作しています。企業のパンフレットやロゴ、広告など、商業デザインの分野でその手腕を発揮してきました。
もう一つは、2009年から使い始めた本名の「やましたこうへい」という名義です。こちらでは、絵本作家として活動しています。彼の絵本は、温かみのあるイラストとユニークなストーリーで、多くの子どもたちやその親から支持されています。
このように、山下さんはロジカルな思考が求められるグラフィックデザインと、豊かな想像力が求められる絵本制作という、二つの異なる側面を持つクリエイターです。ミャクミャクのデザインには、彼の持つ両方の才能が注ぎ込まれていると言えるでしょう。
作者、山下浩平の代表作は?

クロラトリビアナビ・イメージ
ミャクミャクのデザインで一躍その名が知られることになりましたが、山下浩平さんはそれ以前から数多くの魅力的な作品を世に送り出しています。
特に絵本作家「やましたこうへい」としての活動は評価が高く、子どもたちに人気のシリーズ作品も手掛けています。一方で、デザイナー「mountain mountain」としても、様々なクライアントワークを担当してきました。
彼の主な作品を以下の表にまとめました。
カテゴリ | 主な作品名 |
---|---|
絵本作品 | 「ばななせんせい」シリーズ 「きょうりゅうゆうえんち」 「ちびクワくん」シリーズ 「ファーブル先生の昆虫教室」 「さがそう! マイゴノビートル」 |
デザイン・イラスト作品 | JT生命誌研究館パンフレット 神戸新聞連載漫画「おばちゃんとかめ」 教育出版「小学どうとく2」挿絵 涸沢・穂高 安全ポケットガイド グラウンド・ゴルフ パンフレット |
このリストからも、山下さんの作風が子ども向けの親しみやすいものから、専門的な内容を分かりやすく伝えるものまで、非常に幅広いことがわかります。ミャクミャクの不気味さとも言えるデザインは、彼のこれまでの作品群の中では異色に見えますが、これもまた彼の持つ多彩な表現力の一つの現れなのかもしれません。
参考記事:山下浩平さん公式ホームページ「mountain mountain・やましたこうへい デザインと絵本」
ミャクミャク作者(デザイナー)の逃亡説とデザインの秘密

クロラトリビアナビ・イメージ
- ミャクミャクの見た目が変わった理由
- ミャクミャクの目の数が多い意味
- ミャクミャクのデザインは誰が決めた?
- ミャクミャクが公式キャラに選ばれた理由
- 当初不評だったミャクミャクが人気になった理由
ミャクミャクの見た目が変わった理由

クロラトリビアナビ・イメージ
ミャクミャクのあの不思議な見た目は、明確なコンセプトに基づいてデザインされています。その姿は、万博のテーマである「いのちの輝き」を表現するためのものです。
赤い部分は「細胞」
ミャクミャクの体を構成する赤い球体は「細胞」を表しています。これらは分裂したり、増えたりすることができ、生命の根源的な活動を象徴しています。生命が絶えず変化し、受け継がれていく様子が、この赤い細胞で表現されているのです。
青い部分は「清い水」
一方、青い部分は「清い水」を表現しています。水はあらゆる形に姿を変えることができ、場所や環境にとらわれない柔軟性を持っています。この青い部分によって、ミャクミャクは流れるようにしなやかに形を変える能力を持っています。
この「細胞」と「水」という二つの要素が結合することで、ミャクミャクは「なりたい自分」を探して様々な姿に変化できる、という設定が生まれました。現在の人間を真似たような姿も、その変化の過程の一つに過ぎません。ただし、設定によれば、姿を変えすぎた結果、元の形を忘れてしまうこともあるようです。この少し抜けた部分も、キャラクターの魅力の一つになっています。
ミャクミャクの目の数が多い意味

クロラトリビアナビ・イメージ
ミャクミャクの顔には、大小さまざまな目が複数ついています。この特徴的なデザインにも、深い意味が込められています。
この多くの目は、単に奇抜さを狙ったものではなく、多様な価値観を認識し、他者とつながるための象徴としてデザインされました。具体的には、以下のような意味が考えられます。
- 多様性の象徴:複数の目がそれぞれ異なる方向を向いていることで、世の中にある様々な人々の考え方や文化、多様な価値観に気づくことを表しています。
- 共感の表現:多くの視点を持つことで、他者の立場や感情を理解し、共感する能力を示唆しています。
- 見守りと理解:誰かを監視するのではなく、温かく見守り、理解しようとする姿勢を表現しています。
- 未来への希望:脈々と受け継がれてきた歴史や文化、知恵を未来へとつなげていく希望も、この多くの目に託されています。
このように、ミャクミャクの目は、万博が目指す「いのちを響き合わせる」というコンセプトを、デザインの細部にまで反映させた結果なのです。
ミャクミャクのデザインは誰が決めた?

クロラトリビアナビ・イメージ
ミャクミャクというキャラクターが誕生するまでには、2つの異なるプロセスが存在します。キャラクターの「デザイン」と「愛称(名前)」は、それぞれ別の方法で決められました。
まず、キャラクターデザインは、これまでに説明してきた通り、デザイナーの山下浩平さんが手掛けました。全国から1,898作品もの応募があったデザインコンペの中から、審査を経て山下さんの案が最優秀作品として選ばれたのです。
次に、キャラクターの愛称です。デザインが決定した後、そのキャラクターにふさわしい名前を一般から公募しました。そして、集まった多数の応募作の中から、キャラクター愛称選考委員会が最終的に「ミャクミャク」という名前を選出しました。
つまり、山下さんがデザインしたキャラクターに、公募で選ばれた「ミャクミャク」という名前が付けられ、大阪・関西万博の公式キャラクターが完成した、という流れになります。
ミャクミャクが公式キャラに選ばれた理由

クロラトリビアナビ・イメージ
数多くの応募作品の中から、なぜミャクミャクのデザインが選ばれたのでしょうか。選考では、いくつかの点が特に高く評価されました。
最大の理由は、万博のテーマである「いのち輝く未来社会のデザイン」との親和性です。赤い細胞と青い水が結合し、生命のつながりや躍動感を表現したデザインは、まさにテーマを象徴するものと評価されました。また、「ミャクミャク」という名前も、歴史や文化が脈々と受け継がれていく様子を連想させ、テーマに合致しています。
また、従来のキャラクターにはない独創性や未来感も重要な選考ポイントでした。選考委員会は「未来社会を象徴し、世界にインパクトを与えるデザイン」を求めており、可愛らしさだけではない、一度見たら忘れられない強烈な個性が決め手の一つとなったのです。
さらに、水の都・大阪という開催地の文化との関連性も評価されました。青い水の体は大阪の文化的な背景を表現しており、地域性をキャラクターに落とし込んでいる点も優れていました。これらの理由から、ミャクミャクは万博の顔として最もふさわしいと判断されたのです。
当初不評だったミャクミャクが人気になった理由

クロラトリビアナビ・イメージ
発表直後は「気持ち悪い」という声も多く聞かれたミャクミャクですが、今では多くのグッズが作られ、子どもから大人まで幅広い層に愛される人気キャラクターとなっています。この人気の理由は、複数の要因が複合的に絡み合っていると考えられます。
第一に、その「キモカワ」な魅力です。怖いけれど、どこか憎めない。見れば見るほど愛着が湧いてくる、という絶妙なバランスが、特にSNSを中心に話題となりました。「バイオハザードの敵キャラみたい」といったネガティブな意見が、逆に「コロシテ…」というネットミームを生み出し、結果として認知度を飛躍的に高めるきっかけになりました。
第二に、メディアでの露出の多さです。万博の公式キャラクターとして、テレビやイベント、関連グッズなどで目にする機会が格段に増えました。この「単純接触効果」により、見慣れることで徐々に親しみを感じる人が増えていったと考えられます。
第三に、海外での高評価です。「日本らしい独創的なキャラクター」「ポケモンの新キャラみたい」といったポジティブな反応が海外から寄せられ、その評価が国内にも伝わりました。アート的な視点での評価が、ミャクミャクの価値を再認識させる一助となったのです。
これらの要因に加え、人懐っこい性格や虹を見つけるのが好きといった親しみやすいキャラクター設定も、人気を後押ししています。結果として、ミャクミャクは賛否両論を乗り越え、万博を象徴する成功したキャラクターになったと言えるでしょう。
総括:ミャクミャク作者(デザイナー)の逃亡説は事実無根
記事のポイントをまとめます。
- ミャクミャク作者の海外逃亡説は事実無根のデマ
- 作者はデザイナー兼絵本作家の山下浩平氏
- 批判が殺到した時期と海外での仕事が重なり逃亡説が浮上した
- 作者のXアカウントは削除されたが公的な理由は明かされていない
- 山下氏は「人前に出るのは得意ではない」と過去に語っている
- ミャクミャクは山下氏が家族と共にアイデアを出し合い考案した
- 山下氏の代表作には絵本「ばななせんせい」シリーズなどがある
- デザインのコンセプトは分裂する「細胞(赤)」と変幻自在な「水(青)」
- なりたい自分を探して姿を変えるという設定を持つ
- 6つある目は多様な価値観や他者への共感を象徴している
- デザインは山下氏、愛称「ミャクミャク」は一般公募で決定された
- 選考理由は独創的なデザインと万博テーマとの高い親和性
- 当初は「気持ち悪い」という声も多かったが後に人気を獲得
- 「キモカワ」という独特の魅力がSNSで話題を呼んだ
- 海外ではアート性が高く評価されポジティブな反応が多かった